Lesson5-4 リンパ&セラピーの注意事項

時間帯に気をつける

リンパを流すのに適切な時間帯というものは存在するのでしょうか?

もちろん、ちゃんと存在します。たとえば同じ姿勢を長時間続けた場合は、軽いストレッチと一緒にセラピーを行うと効果的です。逆に食後すぐに行うのは避けた方が良いでしょう。リンパ&セラピーは消化の邪魔になるため、食後一時間ほどは安静にしておくのが無難です。

また、リンパ&セラピーを行うと副交感神経が優位になります。

昼間、日が出ている時間帯に活発に活動するときは交感神経が優位になり、逆に休息中や睡眠中であれば副交感神経が優位になります。したがって、リンパ&セラピーの副作用で副交感神経が優位になると、眠くなってしまう恐れがあるということになりますから、寝る前寝てしまっても大丈夫なときに施術するのが良いでしょう。

lymph_5_4

患者の健康状態に気をつける

リンパ&セラピーを受けたい、という患者さんは大勢いらっしゃいますが、中には風邪を引いたり怪我をしていたりしても受けてしまいたい、と願い出る方もいます。

軽い風邪ならリンパ&セラピーで効果が出ることもありますが、高熱の場合は無理せず身体を休ませるようにした方が良いでしょう。いかにリンパ&セラピーに免疫を高める効果があるといっても、風邪を引いて免疫が稼動している最中に無理やり行うものではありません。

怪我をしている場合も注意が必要です。リンパ&セラピーは直接身体に触れる手技療法ですので、流すべきリンパ節の周辺や末端に火傷や傷口があったのでは施術できません。健康状態を改善するのがリンパ&セラピーの目的ですが、家で安静にしておくべき状態で実施するべきではないのです。

分かりにくい場合は、家が燃えているときに補強工事を行うようなものだとお考えください。

低血圧と高血圧

血圧の高低もまたリンパ&セラピーを行う際に注意すべき点となります。低血圧の患者さんに対しては、手始めに末端からリンパ&セラピーを行って、慣れてきたら全身に施術するという形でゆっくりと進めていきましょう。

逆に高血圧の場合、顔や首へのリンパ&セラピーによって、血圧が更に上昇してしまうケースが考えられます。首肩や頭部の筋肉をほぐそうとしたにも関わらず、かえって体が緊張してしまって血圧に影響が出てしまうことがあるのですね。これも事前にチェックしておかなければならない点の一つですから、可能であれば、施術前に血圧計を使って測ってみると良いでしょう。

生理中・妊娠中

女性は男性と違って、生理や妊娠によって健康状態が大きく変わります

生理中のリンパ&セラピーはさほど問題がありません。むしろ生理痛の緩和のために積極的に採用しても良いぐらいです。ただし、血行が良くなってしまうことに注意してください。

血の巡りが良くなるのは健康のためには良いことなのですが、タイミング次第では必ずしもそうとは言い切れません。生理による出血量が増えてしまう恐れがあるからです。

したがって、もし生理中の女性にリンパ&セラピーを行う場合は、出血が増えてしまうことを念頭において、食事面でのアドバイス(造血作用のあるレバーを食べるなど)などを行いながら、注意深く施術する必要があるでしょう。

妊娠中の女性に対しては、状態を良く見て行うべきかどうか判断しましょう。お腹の中に子どもがいると運動不足になりがちで、リンパ&セラピーが効果的な時期ともいえるのですが、安定期でなければかえって母体に負担をかけてしまいます。お腹を刺激することで胎児に悪影響を及ぼす可能性もあります。

妊娠初期の場合は、あまり全身にマッサージをするということは考えずに、首や腰などをさするような軽いセラピーにとどめるのが良いでしょう。

リンパ&セラピーを行う際は、以上の点に注意して、注意深く施術してください。